エロス断想

猫と美人を描いてゐます

2007-03-01から1ヶ月間の記事一覧

ゆがんだ猫

「ブッデンブローク家の人びと」読み始める 意外とスラスラ読める 「ヴェニスに死す」のアッシェンバッハや「トニオ・クレエゲル」の主人公のやうな、現代的で複雑な人格を持つ人物は、まだ出てこず、坦々と一家の歴史が綴られてゆく 猫駅用の良い写真が撮れ…

DIE BUDDENBROOKS

今日からしばらくの間、図書館が休館するので、長編「ブッデンブローク家の人びと」を借る 長編小説を読むのは久しぶり 読み通せるかな 実は、トーマス・マンの「魔の山」は挫折してゐるのだ 「ブッデンブローク家の人びと」に影響を受けて書かれた、北杜夫…

哲学講義

土屋賢二「ツチヤ教授の哲学講義」読了 哲学を知らない大学一、二年生の学生を対象とした、哲学入門書 学生の頃は、こんな本ばかり読んでゐたなぁ ウィトゲンシュタインに関する講義が興味深い 「哲学は実験するわけでも、観察するわけでも、調査するわけで…

アルケミスト

春雨蕭蕭 ブラジルの作家パウロ・コエーリョ(1947-)「アルケミスト」読了 何となく消化不良の憾みあり 様々な思想、信仰を詰め込んでゐるわりには、底が浅い童話 「「僕の心は、傷つくのを恐れてゐます」ある晩、月のない空を眺めてゐる時、少年は錬金術師(…

乳の匂ひ

さて、能登地震ですが、石川県と言へば、私の幼馴染のサンダイさんは大丈夫か知ら? このブログ、見てる? 何らかの形で義援金を送らねばなりません ジーンズを買はうかと思ったが良いのがない 30インチではちょっとゆるく、29インチではキツすぎる 裾上げし…

デスノート

映画「デスノート」の後編を観る 期待以上に面白かったが、マンガとは言へど論理と非論理が交錯しすぎではないか そもそも、ノートに名前を書いたら死ぬとか、ビデオを見たら一週間で死ぬとか、そんな設定を受け入れられるかどうかで評価は変はるでせうね 前…

A Heavy Day’s Night

終日雨 今日はヘヴィーな一日であった 午前中は、グッと感情を抑へてゐた 胃に穴が開くかと思った 20分程度なら胃がシクシク痛む程度で済むが、もし数時間となると・・・ゾッとする 午後は・・・ 大切な人のリストカットを知る つらすぎる こんな時の独り身…

FRANKENSTEIN

軟風、初夏の日差し 日焼け止めをぬりぬり メアリー・シェリー(英1797-1851)「フランケンシュタイン」読了 作者は、詩人シェリーの妻 映画などで知られるフランケンシュタイン像とは全然違ふ、興味深い悲劇 神をも怖れぬ科学至上主義へのアンチテーゼ ○「フ…

スーパーブロック

さて、先日バレーボール選手の宮田由佳里さんのことを少し書きましたら、彼女の名前の検索結果から、このブログに数十件のアクセスがありました 試しにヤフーで「宮田由佳里」を検索してみますと、何ゆゑか現在6番目にこの「エロス断想」が出てゐます スイマ…

ヴァン・ヘルシング

この世には二種類の人間がゐる 詩を愛する人間と、パチンコで遊ぶ人間 「詩」も「パチンコ」もメタファー(隠喩)ですから、パチンコ型の人が「私はパチンコなんてしない!」と言ってもダメ 私や、アンリ、Yさん、私の詩友の方々は詩型 詩型の人の心は傷付いて…

海に住む少女

快晴、日差し強く、冴えかへる風 空気が乾燥してゐるせゐか、唇が裂けて痛い シュペルヴィエル短編集「海に住む少女」読了 詩人が本業の、ウルグアイ出身のフランス人作家 表題作は十数ページしかない小品だが、紛ふかたなき傑作 「この海に浮かぶ道路は、い…

祖母退院

終日曇天 染井吉野の花芽はいまだ固し 祖母退院 機嫌よし 助け合はねばならぬ それが家族なり 看護婦さんとは縁が切れてしまった・・・ 啣へ煙草で街を歩いてゐる美人を見る 折角の美しさが台無しであった 肌も荒れるし、歯も黄色くなるし・・・ 何故、自分…

法事など

朝から法事 お経を何度も噛みよって・・・ 30分で5000円は高いか安いか ま、部屋の大掃除ができたからいいか プラトン「ソクラテスの弁明」読了 哲学書といふよりも芸術的戯曲作品 何度読んでも面白い ソフィストに訴へられたソクラテスの、法廷での激しい弁…

愛してるからこそ

料理を作って欲しい 愛してるから 私も作るから 本を読んで欲しい 愛してるから 私も読むから 何か注意をした時に逆ギレしないで欲しい 愛してるから 私も気をつけるから 愛してるからこそ注意するのです 愛してなければ、ほったらかし、どうぞ煙草を吸って…

春雨蕭蕭

終日雨 土屋賢二「ツチヤ学部長の弁明」読了 「学部長からのメッセージ・わたしの写真を見て「こんなたよりなささうなやつが学部長なのか」とがっかりした人もゐるかもしれません。あいにくですが、いまさら退学しても、入学金や授業料は返ってきません。で…

正宗白鳥

終日曇天、肌寒し 正宗白鳥「世界漫遊随筆抄」読了 永井荷風の対極にして、全くロマンティックではないドライな旅行記 「北京で会った或新聞記者は、「世の中の真相が伝へられないで、歪められた事ばかりが報道されて、嘘が力になって嘘によって世が動いて行…

春ですね

蝶が舞ひ、亀が甲羅干しをしてゐるのを見る 春ですね 別れと出会ひの季節です 古本屋で「のだめカンタービレ」を立ち読みするつもりだったのだが、全く見当たらない・・・と思ったら、レジの横にオススメコミックとして置いてあった 立ち読み不可能なり 経済…

進化と人間行動

風は冷たいが日差しは初夏 猫四匹にカリカリ、ビールの空き缶七個拾ふ 長谷川寿一・長谷川眞理子「進化と人間行動」読了 東大に通ふ女子大生に薦められて読んだのですが、非常に興味深かったです 「女性の性的魅力・とくにウェスト/ヒップ比について」のやう…

ヒカンザクラ

ウグヒスの鳴き声を聞く 春なり 私には、遣り遂げねばならぬ夢がある その夢のために、私は生まれてきたのだ さうして私は、ありとあらゆるものを犠牲にしてきた この世の幸せを、恋愛を・・・ 花を見に行きませう この春に咲き誇る花を ヒカンザクラを ■三…

春の箴言

祖母(89)の退院が決まる 今スグにではなく、二週間後 長生きする人とは、かういふものか 看護婦さんとの縁も、これで切れてしまふのか・・・ 古本屋にて、「のだめカンタービレ」が見付からない 売れてないのか 少女漫画コーナーをウロウロするのは恥づかし…

サイネリア

風はひんやりとしてゐるが、春らしい一日 今日は猫運あり 10匹ほどの猫にカリカリをやる 本格的に野良猫の世話をしてゐる女性を見る その人が姿を現しただけで、山の中から猫が飛んで来た 私の場合は、呼ばなければ出てこない 修行が足りぬ 「進化と人間行動…

夢を持つ男

風冷ややかなれど、日差しはうららかなり スミレとハナニラの花が咲いてゐるのを見る 「ハナニラ」の名前はアンリに教はった 誕生日に贈る、鉢物の花を見に行く 5000円の蘭が、見切り品として1000円で売られてゐた 食指が動いたが、スグに枯れさうだったので…

血縁度r

底冷えする一日 晴れたり曇ったり雪やみぞれが降ったり ノートパソコンのCDドライブが壊れた 再インストールは不可能といふことか・・・ 車にペットボトルを投げ付けられる 私は、たまたまごみステーションの横に車を停めてゐたのだが、その車のドライバーは…

啓蟄

啓蟄といふのにこの寒さ まさかダッフルコートを着ようとは 一週間ぶりの筋トレ ハリキリすぎて、アタマが痛い 脳の血管が切れた模様 ぷちっ シャボン玉もいいけど、本も読めよ ■三州生桑HP■ http://www.h4.dion.ne.jp/~utabook/

恋する遺伝子

風強く、寒さがぶり返す 「冴える」は冬の季語ですが、「冴え返る」は春の季語です 「進化と人間行動」3分の1まで読み進む 「群淘汰」「種の保存」「利己的遺伝子」の否定 実に興味深い 教授とディスカッションしながら読めば、さらに理解が深められるであら…

旧小正月

祖母を見舞ふ 今日は元気 年をとることの恐ろしさを知る 看護婦さんの三交代の仕事は激務だ 0900〜1700 1700〜0100 0100〜0900 尊敬に値する 路上にて、車椅子に乗った障害者を見る 私と同世代の男か 先天性の下半身マヒ 足の指先が地面にこすれてゐた。感覚…

そして詩人は恋をする

図書館にリクエストしてゐた「進化と人間行動」を受け取りにゆく サスガに東大の教科書だけあって、読み応へがある 強引な展開が気になるが・・・ 来週は、この本にかかりっ切りであらう 宇多田ヒカルが離婚したねぇ あのカップルには期待してたんだけどな・…

ゴーゴリ

ゴーゴリ「外套・鼻」読了 「我々は皆、ゴーゴリの『外套』の中から生まれたのだ」と言ったのはドストエフスキーであるが、私は奇想天外な「鼻」の方が好み 鼻が逃げ出すといふ発想が凄い 「『もし、あなた』と、コワリョフは無理にも心に鞭打って、『あの、…

タイムスリップ

鯨統一郎「タイムスリップ森鴎外」読了 奇書なり キショッ ツッコミを入れたい箇所は多々あるが、そんなことをするのも大人気ないな、と思はせる珍作 何者かに殺されかけ、大正11年から現代の渋谷にタイムスリップしてしまった、明治の文豪・森鴎外。道玄坂…