エロス断想

猫と美人を描いてゐます

2006-11-01から1ヶ月間の記事一覧

暖冬だね

アゴタ・クリストフ「昨日」読了 何とも重苦しい悲恋物語 幻想的な構成と緊密な文体 傑作ではあるが、この作品だけ読んだのでは、真価は分からない 前作三部作、及び自伝「文盲」を読了してから読むべき あとは、戯曲を少しづつ読んでゆかう 森博嗣「すべて…

クリシュトーフ・アーゴタ

アゴタ・クリストフ「ふたりの証拠」「第三の嘘」一気に読了 傑作なり 「悪童日記」と合はせて三部作なのだが、こんな小説は読んだことがない 久しぶりに、読書の快楽にふけることができた 本格ミステリのやうな、めくるめく展開が飽きさせない 物語そのもの…

悪童

けふ借りてきた本 アゴタ・クリストフ「ふたりの証拠」「第三の嘘」「昨日」 ナボコフ「ロリータ」 森博嗣「すべてがFになる」 「悪童日記」は既読 彼女はノーベル文学賞を取るだらう 「ロリータ」の新訳が入ってゐた 読みたかったんだよなぁ 本屋にて、「運…

デリケイトなエチュウド

クリスマス・カードを探せど、なかなか洒落たのが無い 田舎だからなぁ〜 隣町に小さな文房具屋があるのだが、珍しいバースデイ・カードとか便箋を売ってゐる レイモン・ラディゲ「ドルジェル伯の舞踏会」やっと読了 ラストの10ページで、やうやく面白くなっ…

もういくつ寝るとぉ

あと一ヶ月ほどで今年も終はりですよ 色んなことがあったなぁ〜 ドキドキがあったなぁ〜 「ときめき」といふものは、自分からアクションを起こさなければ得られないものだといふことを再確認 来年の目標は、詩から短編小説にシフトすること 「主は来ませり」…

文盲

猫といふのは、20メートル先の鼠の足音が聞こえるのだとか 道理で、あの子猫は、私が「ツッツッツッ」と呼ぶと、スグに山の中から飛び出て来るわけだ この子猫は、もう好きなやうに触らせてくれる 生まれて初めての冬か・・・ 野良猫には厳しい季節がやって…

冬のラディゲ

祖母を見舞ふ 昨晩、コケてアタマを打ったのだとか しきりに、なかなか死ねん、と言ふ 祖母「あんた、生きとって何かええことあるかね」 私 「うーん、まぁ色々とありますよ」 祖母「ホントかね!? ええねぇ・・・」 今日は、ドキドキは無し レイモン・ラデ…

ロミオとジュリエット

シェイクスピア「ロミオとジュリエット」を本屋で立ち読み 「新訳」と銘打ってあり、翻訳は河合祥一郎 「マジ?」とか「ガングロ」なんて言葉が・・・ 超訳やがな ストーリーは誰でも知ってますね この話しの妙味は、やはり恋の詩的表現(セリフ)であらう 「…

幽霊と空き缶

よく行く公園にビールの空き缶が捨てられてゐる 決まって同じ場所、決まって同じ銘柄だ 週に三回位その公園に行くのだけれど、拾っても拾っても、必ず二、三本捨てられてゐる ほんの数十メートル先に、ゴミ箱があるのに コーヒーの空き缶は、同じ銘柄のもの…

肝臓先生

坂口安吾「肝臓先生」を読む 傑作なり 安吾を読むと、稲垣足穂の文体ですら普通に思へてくる 森茉莉に匹敵する奇妙な文体だが、それでゐて読みやすい 「セリフ」表現の難しさを思ふ 夏目漱石や太宰治のセリフは、現代でも十分に通用する普遍性を持ってゐる …

冬の夜にひとり

祖母を見舞ふ もう生きるのは飽きたと言ふ 88歳なり 主治医からは、100歳まで生きると太鼓判を押されてゐる 看護婦さんはお休み のんびりと、久々に昼寝 3時間は寝たな 「エディ&マーティンの逃亡人生」を見る 主演は、エディ・マーフィーとマーティン・ロ…

この胸のときめきを

映画「SAW」を見る 不愉快なり これは映画ではなく、グロテスクな「見世物」だ ゲームのために人を殺すなんて吐き気がする ストーリーも浅い ラストはよく憶えてゐないが、もう二度と見ないだらう 「セブン」も連続殺人の映画だが、深みがある チャンス到来…

ベーコン&ハンバーグ

信号待ちをしてゐた時、私の車の横を老人が通り過ぎるのを見る 手に回覧板を持ち、よれよれのトレーナーを着てゐて、残りわづかな白髪が強風でバサバサになってゐた あんな爺さんにはなりたくないな、と思ふ ふと、老人はしゃがみ込んで、何かを拾ってゐる …

ジキル博士とハイド氏

Wさんに森博嗣のオススメの一冊を訊ねたら、もう五、六冊は読んだとのこと よ、読んでるなぁ・・・ この街で、彼女ほど本をよく読む女性を知らない やはり、読書する女性は美しい スティーヴンソン「ジキル博士とハイド氏」読了 岩波文庫版 ミステリとして読…

ヘイ! ミスター・シクラメン!

今日は母の誕生日であったことに、帰宅途中の車の中で気付く 慌ててホームセンターに直行し、シクラメンの鉢を買ふ 昔は、シクラメンなんて赤と白くらゐしか無かったと思ふが、今は何十種類もありますね 目移りしました シクラメンなんて安物ですけど、母は…

エロスの饗宴

プラトン「饗宴」読了 新潮文庫版 森進一訳 学生時代に、別の人が訳したのを読んだな 哲学書といふより、戯曲文学に近いから読みやすいです 「ソクラテスの弁明」と並んで、プラトン初心者にはお薦めの一冊 いはゆる「プラトニック・ラブ」は、本書に由来し…

月曜日のパンセ

プレステ3なんか、ただでやると言はれてもいらん 10万円やるから、貰ってくれと言はれてもいらん 押し付けられたら、煮込んでやる 男は約束をしてはいけない 約束する男を信じてはならない 約束とは女がするものだが 女の約束を信じてはならない 恋を失ひ、…

豚足雑感

きのふ、豚足を初めて食べた 不味かった・・・ 毛がついてた・・・ 298円(それから2割引)だからなぁ 本場に行けば、美味しいのが食べられるんだらうけど 多分、もう二度と食べない 豚の毛はブラシになるのだ 今東光が、谷崎潤一郎に闘鶏を見せたことがあるさ…

ピンク色の薔薇

ひねもす雨もよひ 遠雷聞こゆ 「饗宴」「蓼喰ふ蟲」を読むこと 譬ふるならば、ピンク色の薔薇 花言葉は、「温かな心」「気品」「淑女」「恋の誓ひ」「私はあなたを尊敬します」 誰も見てゐませんでした 廊下に落ちてゐた脱脂綿を、あなたがサッと拾ったこと…

沈む金曜日

何か明るいことを書きたいんですがネ 気分が沈みがち Wさんに森博嗣を薦められる 読んでみるかな 祖母にラジオを渡すため、病院に寄る なかなか、看護婦さんに話しかけられない 私はデカいし、見るからに健康さうなので、老人や病人の間をウロウロしてたら目…

桜の園

異様に暖かい日がつづいてゐます クリスマスのデコレーションがちらほら見られるといふのに、まだ半袖Tシャツの人がゐる かと思ふと、マフラーしてる男の子もゐる 女の子は、みんなブーツを履いてるねぇ 私のブーツはカビてしまった・・・ 黒く塗れ! チェー…

コクトー日和

きのふは立冬だったのですね 歳時記も冬のに更へなくてはなりません ジャン・コクトー「恐るべき子供たち」読了 佐藤朔訳 学生時代に一度読んだが、その当時は、悪魔的に早熟な子供たちの悲劇といふ解釈しかできなかった この系譜の小説には、谷崎潤一郎の「…

Ruby Tuesday

あと800グラム落とせば目標体重なり そして、あと2キロほど痩せれば、高校生のときと同じ体重になる ただ、筋肉は今の方がはるかについてゐる ジョギング・ダイエットは成功 しかし、早朝ジョギングは終了 寒い 死んでしまふ 冬の間は休日の昼間に走らう 祖…

デオデオ安吾

坂口安吾「恋愛論」読む 通俗なり 「恋愛は、人生の花であります。いかに退屈であらうとも、この外に花はない」 それよりも「刺青殺人事件を評す」の方が興味深い これは高木彬光の「刺青殺人事件」を酷評した文章である これを読むと、安吾は横溝正史を高く…

読書と美人

祖母を見舞ふ すっかり元気になってゐる 入院するごとにパワーアップしてゆくやうだ 病院の周りをグルリと散歩 病人やあらへんがな 看護婦さんと目が合ひ、挨拶す チャンスは自分で作るものだ ジャン・コクトーの資料を調べようと図書館に向かふが、駐車場が…

お婆さんは心配性

母の調子よし 朝から全く問題なし ただ、祖母が再び入院す 今朝、定期健診を受けるため病院に連れて行ったのだが、待合室でダウン 入院手続きを終へ、昼過ぎに着替へを持って再び病院に行ったら、もう元気になってゐた 顔には出さなかったが、ガックリと疲れ…

差別意識といふもの

昨日、図書館で漢詩の資料を調べてゐたら、ふと或る出来事を思ひ出した この街に来る前の話しである その日もまた、私は図書館で調べ物をしてゐた 季節は今頃だっただらう 館内には、浪人生とおぼしき若者が何人もゐる 私の席の向かひ側でも、男の子が一所懸…

母は不死鳥のごとく

母は完全復活 心配してくださった方々、どうもありがたう あんなに小さな錠剤二粒で治るんだから、人間とは案外に単純なものかも知れない 母は倒れたが、祖母も死にかけたことがある 団子の餅を喉に詰まらせて、意識不明になったのだ 私が舌をスプーンで押し…

母が倒れた日

今朝、母が倒れる 目まひがするのだといふ こんなことは初めてである 立てないほどなのだから、総合病院に行けばよいのに、かかりつけの内科医に行くといふ 頑迷固陋なり 吐き気もすると言ひながら、眉だけはしっかりと描いてゐた 愚かといふか、あっぱれと…