エロス断想

猫と美人を描いてゐます

海に住む少女

快晴、日差し強く、冴えかへる風
空気が乾燥してゐるせゐか、唇が裂けて痛い


シュペルヴィエル短編集「海に住む少女」読了
詩人が本業の、ウルグアイ出身のフランス人作家
表題作は十数ページしかない小品だが、紛ふかたなき傑作
「この海に浮かぶ道路は、いったいどうやって造ったのでせう。どんな建築家の助けを得て、どんな水夫が、水深六千メートルもある沖合ひ、大西洋のまっただなかに、道路を建設したといふのでせう。道に沿って並ぶ赤煉瓦の家、いえ、もうすでに色あせてフランス風のグレーになってゐたけれど、この家や、スレートや瓦で出来た屋根や、地味で代り映えのしないお店はいったい、どうやって?・・・そこにまったくのひとりぼっちで暮らす、十二歳くらゐの少女。海水の中の道を、普通の地面みたいに、すたすたと木靴で歩いてゆくこの少女は、いったい?」




アンリよ、メールが送り返されてきたぞ



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