エロス断想

猫と美人を描いてゐます

ナガサキ

晴れのち曇り。明日は大雨か。
コドモだらけだ。運転に注意。コネコにも注意。
図書館の駐車場に停められた車の中で、泣きわめく赤ん坊を見る。春先とは言へ日差しは強く、窓を閉め切ると車内はかなり蒸し暑い。あと10分放置されたままなら、館内放送をしてもらはう・・・と思ってたら母親が戻ってきた。車に乗り込むなり、煙草を一服。虐待に気付いてない。かういふバカ女が一番嫌ひだ。・・・これでも人の親・・・。


林京子「長い時間をかけた人間の経験」読了。著者は長崎で被曝。被爆者のその後を辿るドキュメンタリー。中でも徹底的に差別される弱者としての被爆者(女性)の証言が胸を打つ。
あんたのごたるひっつれ娘は、どこも雇うてくれんよ。奥さんにいはれれば、ほんなこと、と思ふとです。よかこと? 悪かこと? うちには判らん。それからは行く先ざきで、同じことの繰り返し。奥さんの目を盗んで、畑から早う戻ってきなって、うちを抱く旦那さんもをんなった。食べさせてもらうて、小遣ひ銭までくれなる。・・・だんだん人の心が落ち着いてきて、原爆のおそろしさも忘れられていく。火傷をみて、汚ならしかけん、と雇うてくれる農家は減っていきました。



やっとひと区切り。
意外に気分は晴れ晴れとしてゐる。



■三州生桑HP■
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