エロス断想

猫と美人を描いてゐます

アカニシカキタ

好天、最高気温8度、絶好のジョギング日和。40分走りて爽快
常連猫に会ふ、みな元気なり
献血の御願ひ」なるハガキ届く。初めてなり。我が県ではただ今B型が不足せる由、年末に行ってみむ。ハガキ持参で、けんけつちゃんグッズプレゼントとのこと。けんけつちゃーん


志賀直哉の短篇集を拾ひ読み。志賀文学は好みではなかったのだが、久方ぶりに読んでみれば中々感じ入るところあり。「赤西蠣太」佳作なり。或る理由で夜逃げせねばならない蠣太は、一計をめぐらす。即ち、屋敷で最も美しいと評判の腰元に、その気もないのにラブレターを書き送り、見事フラれたと見せかけ、傷心のゆゑ屋敷を出たと皆に思はせる・・・。彼は醜い男だった・・・外見だけは。しかし、思ひがけないことに、腰元の返事はOKで・・・

その晩部屋へかへると燈芯をかき立てて急いでひらいて見た。返事は全く予想外だった。・・・「私は貴方を恋した事はございませんが、前から好意を感じてをりました。・・・私には前から貴方に対する或尊敬がございました。私は私がこれまではっきり意識せずに求めてゐたものが、それが貴方の内にあるものだったと云ふことを初めて気がつきました。私が所謂美しい若侍方に何となくあきたらなかったのは、さう云ふものが若侍方の内にないからだったと云ふ事が解って参りました。・・・私は今幸福を感じてをります」



■三州生桑HP■
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