エロス断想

猫と美人を描いてゐます

永遠の薔薇

終日晴天、空気は冷ややかなり


ボルヘス詩集「永遠の薔薇・鉄の貨幣」読み始める。序文より抜粋す
文学は詩から出発してをり、散文の可能性を究めるには、さらに数世紀を要したと思はれる。四百年かけてアングロ・サクソン人は少なからず称讃に値する詩を残したが、明晰な散文はほとんど残してゐない。そもそも言葉は魔術的な記号であって、それが時とともに疲弊し、力を失っていったのだらう。詩人の使命は、たとへその一部であってもいい、言葉が持つ、本来の、今は隠されてゐる力を回復してやることではないか。すべての詩は二つの義務を負ってゐるはずだ。正確な事実を伝へることと、身近に迫る波のやうに、われわれに肉体的に触れることである。





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