エロス断想

猫と美人を描いてゐます

ねむり姫

早朝氷雨、午後より快晴、寒風冽冽
シロとハナミヅに缶フードやれど、ほとんど食べない。幸せものなり


澁澤龍彦(1928-1987)短篇集「ねむり姫」拾ひ読み。衒学的。やはり澁澤は小説家ではなく、異端の文学者か・・・。物語や詩を作り出す能力と、それらを分析、批評する能力の違ひ。三島と澁澤、中也と小林秀雄
血でごはごはになった唐衣の袖口を持ちあげてみると、左右の手とも、姫の手首から先がなかった。なにものかに食ひちぎられたやうに、手首から先がもぎ取られてゐて、その切口には黒ずんだ血が凝結してゐた。キリスト教の聖女伝説ならば、紅玉髄の色にでも比較されるであらう血の色だった。



■三州生桑HP■
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