エロス断想

猫と美人を描いてゐます

贋金つかひ

薄曇り、時に霽れたり雨が降ったり、無風、暖かし
食後に蒟蒻畑を五、六個食べると、もう何も食べられなくなるね。胃が小さくなったのか・・・
左肩痛む・・・ストレスか


アンドレ・ジッド(1869-1951仏 ノーベル賞作家)「贋金つかひ」読了。御都合主義的な側面もあるが、傑作には欠点がつきものだ。極めて複雑な構成・・・主に三人称で物語られるが、一人称の日記、二人称の手紙、作中作である小説、作者の意見(!)まで挿入され、視点が目まぐるしく変はる。何しろ唐突に天使が出現するのだから、実験作とも目されよう。南米ラテン文学のマジック・リアリズムのルーツかも知れない
ベルナールが近寄って来る物音を聞きつけて、ボリスは手紙を枕の下に隠し、あわててローソクを吹き消した。ベルナールは暗闇の中を進んで行った。彼と一緒に天使も部屋の中に入ってきた。そんな深い暗闇ではなかったのに、ボリスにはベルナールの姿しか見えなかった。「眠ってゐるのかい?」とベルナールは低い声でたづねた。ボリスの返事がなかったので、眠ってゐるのだらうとベルナールは判断した。「さあ、いよいよ対決ですね」とベルナールは天使に言った。その夜、明け方まで両者は格闘した。




■三州生桑HP■
http://www.h4.dion.ne.jp/~utabook/