エロス断想

猫と美人を描いてゐます

Le Colonel Chabert

曇りのち晴れ。爽風吹く、日差し強し。梅雨前の最後の晴れ間か
筋トレしようと思ったら右肩にピリッと痛みが走ったので、用心してヤメておく。無理は禁物


バルザック(1799-1850仏)「シャベール大佐」読了。誤って死亡診断書を発行されてしまったシャベール大佐は、全財産を失ひ、その妻は伯爵夫人となってゐた。乞食となった彼は、有能な弁護士と巡り合って・・・果たして大佐は名誉を取り戻せるのか? 佳作。バルザックは余り好きな作家ではない。この根っからの小説家の作品には詩情が欠けてゐる憾みがある。徹底したリアリストなのだらう。
「マダム、私はお前を呪ひはしない。軽蔑するだけだ。今や私は、私達二人を別れさせてくれた偶然に感謝してゐる」伯爵夫人は大佐の足元に身を投げ、その手を取らうとしたが、彼はおぞましげに彼女を突き離し、「私に触るな」と言った。伯爵夫人はいかにもつらさうな身振りをしながら、徹底した悪人の持つ洞察力のためか、この高潔な軍人の約束と軽蔑の上にあぐらをかいて、これから安穏に暮してゆけると確信した。


「猫駅」をお休みしまして、「いづら猫は」といふブログに引っ越しました。野良猫のお好きな方はいらしてください
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