エロス断想

猫と美人を描いてゐます

オカン

曇りのち夜に雨、強風


リリー・フランキー『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』今さらながら読了&号泣。小説といふより自叙伝なのだらうな
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ポケットの中に納められた百円は貧しくはないが、ローンで買ったルイ・ヴィトンの札入れにある千円の全財産は悲しいほどに貧しい。
都市開発のファッションビルに入った中途半端なレストランに行列してまで行き、中途半端な食事と中途半端なワインを飲む。
搾取する側とされる側、気味の悪い勝ち負けが明確に色分けされた場所で、自分の個性や判断力を埋没させてゐる姿に貧しさは漂ふのである。必要以上にならうとして、必要以下に映ってしまふ、そこにある東京の多くの姿が貧しく悲しいのである。
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美人と猫、鉛筆、色鉛筆
集中できず出来悪し