エロス断想

猫と美人を描いてゐます

ワクワク!

曇りのち晴れ
つれづれなるままに猫たちにご飯やる
午後、突然鼻血出る。先日と同じく左のみ。スグに止まったが・・・何ぞや
クーリエ・ジャポン1月号買ふ。政経雑誌だが、各国の日本観が垣間見られて面白し
ちなみにnon-noの表紙はウヘトアヤだった・・・


巖谷國士イワヤクニオ編「澁澤龍彦空想博物館」と中野美代子「綺想迷画大全」を流し読みしてゐたら、人のなる樹について奇妙な暗合あり。八世紀ごろのアラブ世界で語られ始め、その果実は「ワクワク!」と鳴くのださうだ。この「ワクワク!」は「倭国」、即ち「Wa-kuak」のことらしい。アラブ人にとって、中国よりさらに遠い国、「日本」は神話の世界に思へたのでせうか。以下は澁澤の文章より抜粋
ヨーロッパの船がはるばるインド洋をすぎ、さらに遠くシナ海を渡ってゆくと、ワクワク島といふ小さな島がある。その島に、いちぢくの樹に似て、こんもりと葉の茂った、奇妙な植物が生えてゐる。三月の初めになると、椰子の実によく似た果実を生じ、その果実から、若い女の足が生えてくる。やがて美しい腿、ふっくらした膝、小さな尻を次々に生じ、四月の終り頃には、女の子の肉体は完全に出揃ひ、五月には頭を生じ、髪の毛で枝からぶら下がるやうになる・・・つまり、この樹には、美しい女の子の果実がなるわけです。けれども六月の初めになると、女の子の果実は一つ一つ枝から落ちはじめ、六月の中旬には、すっかり枝から落ちてしまふ。そして落ちるとき、果実は「ワクワク!」といふ悲しい叫び声をあげ、黒くなって、しなびて死んでしまふのです。










■三州生桑HP■
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