エロス断想

猫と美人を描いてゐます

Quintana Roo

好日、雲も無し、空気が乾燥してゐる
新顔の猫が恐る恐る近づいて来る・・・三匹の猫を取っ換へ引っ換へ膝の上に乗せてたら、どんなに警戒心の強い猫でも近寄って来ますね。レトルトをやったら猛烈な勢ひで食べてゐた。生まれて初めて食べた味だったのだらう


ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア(1915-1987米)「すべてのまぼろしはキンタナ・ローの海に消えた」読了。男性名だが、女性のSF覆面作家。メキシコ、ユカタン半島キンタナ・ロー州を舞台にした怪奇譚。本書で世界幻想文学大賞受賞とのことだが、今ひとつ私の心の琴線には触れず

彼はすぐに見つかりました。倒れる前に月光の当たる場所へ移動するだけの知恵はあったらしい。いまは眠ってるのか、意識がないのか、仰向けに横たはったまま。しばらくは心配でしたが、仰向いてゐるので、長いふっくらとしたのどにピクピク脈が打ってゐるのが見えます。あごの線は、子供か若い女のやうにデリケートだし、頬にかかるやはらかな長く黒い睫毛のおかげで、美女といっても通りさう。そばにひざまづきながら、ぼくは思ひました。ひょっとすると女かもしれん。






■三州生桑HP■
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