エロス断想

猫と美人を描いてゐます

好天、時に薄雲ひろがる
ミケ母さんを久しぶりに見る。私のことを憶えてはゐたが、動きがにぶい。もう歳かと思ったら、また妊娠してゐた。この猫は本当に子育てが上手い。産みっぱなしの猫もゐる・・・人と同じか


森鴎外「雁ガン」読む。もう何度読んだか知ら・・・。雁の不慮の死は、運命と別れのメタファーか。章の数字が旧いものなので、記しておく。壱、弐、参、肆、伍、陸、漆、捌、玖、拾
「さあ僕もそろそろお暇をしませう」と云って、岡田があたりを見廻した。女主人はうっとりと何か物を考へてゐるらしく見えてゐたが、この詞を聞いて、岡田の方を見た。そして何か言ひさうにして躊躇して、目を脇へそらした。それと同時に女は岡田の手に少し血の附いてゐるのを見附けた。「あら、あなたお手がよごれてゐますわ」と云って、女中を呼んで上り口へ手水盥を持って来させた。岡田はこの話をする時女の態度を細かには言はなかったが、「ほんの少しばかり小指の所に血の附いてゐたのを、よく女が見附けたと、僕は思ったよ」と云った。


TKG・・・たまごかけご飯



■三州生桑HP■
http://www.h4.dion.ne.jp/~utabook/