エロス断想

猫と美人を描いてゐます

眼を閉ぢて

早朝まで小雨、のち快晴。ひと雨ごとに寒くなる。ガソリン5円値上げ。


ジャンリーコ・カロフィーリオ「眼を閉じて」読了。法廷ミステリ。面白かったです。元恋人からのストーキングに悩む女性を弁護する主人公。しかし、その元恋人は街の重鎮の息子で、裁判は最初から不利・・・。恋愛小説としても読めます。軽妙な会話の表現が魅力的。
もう一度ベルを鳴らさうとしてゐるとドアが開いた。「いらついてるの?」「君は耳が聞こえないのか?」私は彼女とドアの間をすり抜けた。「中に入っていいって言ったかしら?」「君に本を一冊買ってきたよ」彼女が手ぶらの僕を見つめるので、上着のポケットから本を取り出した。マルゲリータは僕の手から本を取り上げた。そして、イラストもなく、ただ一篇の詩が書かれただけの詩集を読んだ。そしてこちらを見ると、彼女は僕にそっとキスをした。「OK、いいわ。手を洗って、レコードをかけて、テーブルの用意して」


■三州生桑HP■
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