エロス断想

猫と美人を描いてゐます

解剖学者

晴れ時々曇り、少々蒸し暑い
腹筋30回、懸垂40回


或る女性が、路上に落ちてゐたゴミを、サッと拾ふのを偶然見る。私以外の誰も気付いてゐなかったが、ごく自然な美しい所作であった。かういふのに弱いんだよなぁ。誰も見てゐない所での行為にこそ、その人の本質が現はれる。私も人のことは言へない。他山の石とするべし。


猫たちに会ひに行ったら、見たことない人が猫スポットに座り込んでゐるのを見る。近付くと、かすれた声で歌ひ始めた。狂女だった。幽霊なんかよりもよっぽど怖いよ。まだ日があったからよかったものの、夜だったらチビッてたかも。猫たちも怖がって一匹も出てこなかった。


フェデリコ・アンダーシ(1963- アルゼンチン)「解剖学者」流し読み
ポルノと言へばポルノなんですが、ブラック・ユーモア小説として読みました。アルゼンチンで新人賞を受賞したけれども、その文学賞にお金を出してゐる財団の会長(女性)が異を唱へたのもむべなるかな。
解剖学者が彼女の脈を測らうとした途端、ベルティーノがギョッとしたやうな叫び声をあげた。「こ、これは、男、男ですよ!」と上ずった声を洩らすと、すぐに十字を切りながら、天上にゐならぶ聖者といふ聖者のご加護をもとめた。「神のお力がこの私とともにありますやうに」ベルティーノのやつめ、たうとう気がふれたかとマッテオ・コロンボは思った。師は立ち上がり、弟子を落ち着かせようとした。その時、病人の股間に可愛い一物が頭をもたげてゐるのが見えたのでギクリとした。



ああ! White Jeans! 何て魅力的!






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