エロス断想

猫と美人を描いてゐます

天授の子

快晴、初夏の陽気なり

守宮出る

今日も竹の子数本採り、1時間後に素揚げにして食す。春の香りなり。考へてみれば贅沢な話だなぁ


私は戦争の日本をいきどほるよりもかなしんだやうに、原子爆弾の広島をいきどほるよりもかなしんだから、もし広島を書いてもかなしみの記録になるかもしれないが、平和を願はずには書けるものではなかった。敗戦のみじめさのなかで私は生きてゐたいと思ったやうに、広島のむごたらしさも私に生きてゐたいと思はせた。
川端康成『天授の子』
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命がけの恋、命がけの仕事―――それが成就したにせよ、挫折したにせよ―――何かを命がけでしようとしたことのない人には、私は何の魅力も感じられない