エロス断想

猫と美人を描いてゐます

追跡

新顔の野良猫を見る
呼んだらスッ飛んできたから、まづはマッサージ
やせこけてゐたので、レトルトとカリカリをたっぷりと与へておく
一心不乱にパクつくさまの可愛らしさよ
生きよ! 殖えよ! 地に満ちよ!


キューバ人作家、アレホ・カルペンティエル(1904-1980)「追跡」読了
偏執的なモノローグが延々と続く、極めて難解な小説
登場人物に名前がないなんて・・・
なにゆゑに、かくも解りにくい書き方をするのか?
「いかに経験すればよいのか、おれには理解できない、おれはかういふオーケストラを聴くのは初めてだし、まるで神聖な場所にでもゐるかのやうに、かうして・・・あの男のやうに、眼を閉ぢて、あの者らのやうに、手を握りあって・・・人びとが耳を傾けてゐる音楽のこともよく知りはしなかった、だが今湧き起るあの旋律を口ずさみ、そしてあたかも歩行するときのやうに立ち止まり、足を交互にゆっくりと出すリズムをとり、それからまづ耳障りな音のあの歌が、次いでフルートが、その後にはかくも激しき打撃音が、どれもさながら再開するために終了したかのごとく響き渡る場所へ、入ってゆくことぐらゐはできるだらう」


車椅子に乗った女の子を見る
ホイールがピンク色の花柄の車椅子
恐らくは脳性マヒだらう
気がつけば、私は彼女を愛してゐるのだった


■三州生桑HP■
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