エロス断想

猫と美人を描いてゐます

従姪

快晴、昼頃雨パラつく。葉桜が目に爽やかなり
昨日、いとこ出産、女の子なり。従姪(ジュウテツ)と言ふのか知ら。めでたきかな!


川端康成『女性開眼(ヂョセイカイゲン)』読了。三島の中間小説のやうな軽さがあり、一気に読めた。現在絶版になってをり、図書館で借りるか古本屋で探すしかない。ネットで検索したら、初版本は10万円以上するね
主人公が盲目といふ身体障害者であることや、妾、華族など身分差別の描写が多いために、今では出版できないだらうが、単に差別的表現の故に、ノーベル賞作家の作品が葬り去られるのであるとすれば恐るべきことだ
とは言ふものの、川端の他の神がかり的な傑作に比べれば、破綻の多い失敗作と言へるかも知れない


かうなるんだといはぬばかりに、正春は腕を強めて、吹き荒ぶ嵐に激しく煽られた。残忍な程なまなましい愛情が、燃えさかって来た。苦痛のためか、初枝が畳に指を立てる音が、暗がりにちょっと聞えただけで、後は怪しい静けさだった。やがて初枝は、くるっと俯伏せに身を円めて、ぢいっとしてゐたが、しくしく泣き出した。
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直射日光を浴びる美人、鉛筆、20分
グレイジーンズからブルージーンズに



■三州生桑HP■
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