エロス断想

猫と美人を描いてゐます

シントクマル

快晴、晩春の如き陽気
F8のキャンバスボードを2枚買ふ。早速下塗り

折口信夫身毒丸』音読す。久方ぶりに辞書を片手に読む。しかし、「簓ササラ」(たけかんむりに彫)などといふ漢字は小さい漢和辞典には載ってなかった。ごく短い小説だが、極めて読みにくく、解し難く、かつまたゲイ的なり

身毒は板敷きに薄縁一枚敷いて、経机に凭りかかって、一心不乱に筆を操ってゐる。捲り上げた二の腕の雪のやうな膨らみの上を、血が二すぢ三すぢ流れてゐた。源内法師は居間に戻った。その美しい二の腕が胸に烙印した様に残った。その腕や、美しい顔が、紫色にうだ腫れた様を思ひ浮べるだけでも心が痛むのである。そのどろどろと蕩けた毒血を吸ふ、自身の姿があさましく目にちらついた。


美人画、鉛筆
集中できず…
笑顔は本当に描きにくい



■三州生桑HP■
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