エロス断想

猫と美人を描いてゐます

履歴書

晴れ、墓参す
メッセージは読まれず…(ー。ー)フゥ


今日は奇なることあり。図書館で借りた本を読まうとしたら、ページの間から一枚の紙がはらりと落ちた。それは履歴書だった。写真は貼ってゐないが、ひと通り書き込まれてゐる。他人の履歴書なんて興味ないけれど、ふと職歴欄が目に入って驚いた。知ってゐる女性だったのだ
職歴に書かれた某商店に、私は以前よく通ってゐて、そこには女性社員が一人しかゐなかった。彼女と話したことはなく、名前も知らなかったけれど、、この履歴書の主は、あの物静かな女性に違ひあるまい。憶えてゐたといふことは、私も少しは気になってゐたのかも知れない
職歴を見ると、十数年間勤めた挙句、経営不振により去年解雇されたらしい。確かに、私もあの店には、ここ数年全く足を運んでゐない。あの商売も、もう流行らないのだらう。十年ひと昔とは言へ、この街もどんどん変はってゆく…
偶然図書館で手に取った本に挟まれてゐた、或る美しい(?)女性の履歴書…通俗小説家なら恋愛小説に仕立て上げるのだらうな…などと思ひながら、私はその履歴書をシュレッダーにかけた。蜘蛛の糸のやうな、ごく細い縁であった


美人図、色画用紙に鉛筆、1時間。久しぶりに酔って描く


私の描いた美人画も、いづれ散逸して、それを偶然手に入れた人が、「この美人は誰だらう?」と、モデルに思ひを馳せてくれるやうなことがあれば、画家として本望だ


■三州生桑HP■
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