エロス断想

猫と美人を描いてゐます

日本橋

午前中雨、午後晴れ、微風

泉鏡花日本橋』やっと読了。この長編のテーマが、芸者の恋、粋、生き様であることが、ラスト10ページぐらゐでやうやく解った。明治の女はこれで号泣したのだらうなぁ
中盤まで、のらりくらりで何の話かと思ひあぐねてゐると、突然ストーリーが流れ始め、あっといふ間に怒涛の結末へ…まさに序破急。そして恐るべき鏡花の言語世界…翻訳不可能な文学

「豊艶と覗いた乳首が白い蛇の首に見えて、むらむらと鱗も透く、あの指の、あの白金が、其のまま活きて出たらしいで、俺は此の手足も、胴も、じなじなと巻緊められると、五臓六腑が蒸上って、肝まで溶融けて、蕩々に膏切った身体な、気の消えさうな薫の佳い、湿った暖い霞に、虚空遥に揺上げられて、天の果に、蛇の目玉の黒金剛石のやうな真黒な星が見えた、と思ふと、自然に、のさんと、二階から茶の間へ素直、棒立ちに落ちたで、はあ」


美人図、ボールペン、マーカー、一時間ほど
扱ひにくい画材だが、方向性が見えてきた
可愛いよね?


■三州生桑HP■
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