エロス断想

猫と美人を描いてゐます

100万回

快晴、風あり、少し冷える
アンリからクリスマスカード来る。また楽しからずや

昨日の朝、開店したばかりの某スーパーの玄関脇で、三人の少年がケータイ片手にどん兵衛を食べてゐるのを見る。目の前にベンチがあるのに、三人とも路上にしゃがみ込んでゐた…場馴れた感じ
彼らはホームレスではない。それなりに良い恰好をしてゐたし、髪型もキマッてゐる。ピアスすらしてゐた。しかし、彼らには、祝日の朝にご飯を作ってくれる人がゐないのだ
寒い風の吹く中、地べたにしゃがみ込んでカップ麺をすする子供たち…今の日本の心の貧しさを見たやうな気がした
§
ある日、ねこは、白いねこの前で、くるくると3回ちうがへりをしていひました。
「おれ、サーカスのねこだったこともあるんだぜ」
白いねこは、「さう」といったきりでした。
「おれは、100万回も…」といひかけて、ねこは、「そばにゐてもいいかい」と、白いねこにたづねました。
白いねこは、「ええ」といひました。
ねこは、白いねこのそばに、いつまでもゐました。

佐野洋子100万回生きたねこ
§

美しい人、色鉛筆、90分
高級な紙に描いてみました。クリスマスですからね



■三州生桑HP■
http://www.h4.dion.ne.jp/~utabook/