エロス断想

猫と美人を描いてゐます

一夜

晴れ時々曇り、温かし。今年は雪不足とか


夏目漱石『一夜』音読。ユーモラスな『猫』と同じ時期にこのやうな不思議な話を書いてゐたのは興味深い。一読意味不明。不条理なり。禅にはまってゐたのだらう

折から烈しき戸鈴の響がして何者か門口をあける。話し手ははたと話をやめる。残るはちょと居ずまひを直す。誰も這入って来た気色はない。「隣だ」と髯なしがいふ。やがて渋蛇の目を開く音がして「また明晩」と若い女の声がする。「必ず」と答へたのは男らしい。三人は無言のまま顔を見合せて微かに笑ふ。「あれは画ぢゃない、活きてゐる」「あれを平面につづめればやはり画だ」「しかしあの声は?」「女は藤紫」「男は?」「さうさ」と判じかねて髯が女に方を向く。女は「緋」と賤しむが如く答へる。


マフラーを巻く美人をフリーハンドで描く、鉛筆、1時間
昨日の絵と印象がだいぶ違ふ。やはり、フリーハンドの方が私の絵なのだらう
モデルは青山未奈さん


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