エロス断想

猫と美人を描いてゐます

鉄仮面

早朝5時半、寒くて目が覚める。晴れたり曇ったり


アゴベ(1821-1891)『鉄仮面』読み進める。この『鉄仮面』と言ひ、デュマの『モンテ・クリスト伯』と言ひ、ユゴーの『レ・ミゼラブル』と言ひ、フランスには囚人がテーマの小説が多いな。そして、そのいづれもが日本で読み続けられてゐる点は興味深い。日本人の情緒に合ふのだらう
この“鉄仮面”は1600年代後半にフランスに実在した囚人。名前も分からず、顔も分からず…もし仮面を取ったら、即殺せといふ命令が出てゐたらしい(実際は布の仮面だったやうですが)。30年もの間刑務所内で非常に丁重に扱はれ、獄中で死ぬと、私物も関係書類も全て破棄されたと言ふ、謎の人物。イギリスの劇作家バーナード・ショーは「私が最も知りたいのは、鉄仮面が誰だったのかといふことだ」と言ったさうです…誰だったんでせうね


「毎週日曜日に、フィリップはバスチーユの礼拝堂へつれられていくの。そのとき、あの人は監獄の中庭を横切るのよ」「では看守たちは囚人の顔を見たのですね?」と女占ひ師はすかさずたづねた。「いいえ、カトリーヌ」と夫人は悲しげな声を出した。「可哀相にあの人は仮面をかぶせられてゐるんですって」「仮面!」
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美人画、コンテ鉛筆、20分
同じモチーフで続けて描く。モデルは青山未奈さん。モデルが良いと何度描いても飽きないね…
(*'-')b OK!



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