エロス断想

猫と美人を描いてゐます

舞姫

小雨のち晴れ、風寒し
彼女はとても良い香りだった・・・品の良い香り。香水といふのは、実は難しい。そもそも古今東西、香水なんて、清少納言にしろ、マリー・アントワネットにしろ、貴族のものだからね。ヤンキーやコギャルは香水を振りかけまくるが、あれは香水の使ひ方を知らないのと、貴族=上流階級=大人へのあこがれがあるのだらう


川端康成舞姫」読了。全編を覆ふ虚無感は「斜陽」を彷彿とさせる。不気味な夫は作者のドッペルゲンガーか。川端特有のエロス感が薄められてゐるのは、戦後直後の検閲の厳しい時代だったからか。以下の抜粋はセックスの描写だが、ぼんやり読んでたら何のことやら分からない
「あら。いやよ。私、おふろにはひってません・・・。六日も」しかし波子は身ぶるひをおさへた。あきらめも、かくさうとつとめた。そして、絶望をぶっつけると、不貞のおそれからも、罪の思ひからも、突き抜けるやうに、解放された。波子は涙を流した。

モデル、鉛筆、20分



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