エロス断想

猫と美人を描いてゐます

千羽鶴

晴れ時々薄曇り、暖かい日がつづく。明日から雨催ひか


川端康成千羽鶴』読了。傑作なり。書き出しからラストまで、妖しいエロスに満ちてゐる。日本最高の小説家は、やはり川端かなぁと思ふ今日この頃。川端文学は翻訳で理解できるのか知らとも思ふが、ガルシア=マルケスは「眠れる美女」にインスパイアされたと語ってゐたから、鋭い人は本質をつかめるのだらう
「菊治が八つか九つの頃だったらうか。父につれられてちか子の家に行くと、ちか子は茶の間で胸をはだけて、あざの毛を小さい鋏で切ってゐた。あざは左の乳房に半分かかって、水落の方にひろがってゐた。掌ほどの大きさである。その黒紫のあざに毛が生えるらしく、ちか子はその毛を鋏でつんでゐたのだった」



■三州生桑HP■
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