エロス断想

猫と美人を描いてゐます

散りぬるを

曇りのち晴れ、この春一番の暖かさ、夜雨
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しかし彼女は私の言葉を、小説なんか書くより嫁入口でもさがした方がいいといふ、からかひまじりの忠告と聞いたものか、どんなことをしてもやり遂げたいと、勉強の方法をたづねるので、「どうあっても小説が書きたいんですね。作家になれさへすれば、なにを犠牲にしてもいいんですね」「ええ」「それぢゃ誰か小説家の恋人になったらいいでせう」
川端康成『散りぬるを』
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Twitter140字小説
「ねえ、広島風お好み焼きと関西風お好み焼きともんじゃ焼き、どれが好き?」「麺抜きの広島風お好み焼き」「何それ」「お好み焼きなんだから、好きにさせてよ」「…」冗談のつもりだったのに、彼女はむくれてしまった。また今日もプロポーズしそこねた。二人で食べられるなら何焼きでもいいんだけど。



■三州生桑HP■
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