エロス断想

猫と美人を描いてゐます

生きるかたち

終日曇り、多少湿っぽい日。梅雨入りか



畑に咲いてた鬱金ウコンの花
そろそろ夏の花が咲き始める頃。ドクダミも花盛り


浜田寿美男「障害と子どもたちの生きるかたち」読了。実に興味深い一冊。やはり机上の空論ではなく、実際に障害児に触れてきた先達の文章は、読みやすくも心に響く
まいちゃんが小学校に上がったときには、手に指がない子が入ってきたといふことが噂になって、休み時間にわざわざのぞきにくる上級生もゐたさうです。そんな中でまいちゃんは、同じく四肢欠損の年上の友だちにこんな手紙を書いてゐます。「ともみちゃん、おげんきですか。まいこもげんきです。おてがみありがたう。がっこうで、おともだちにてがないってことをゆはれたら、しょうがないでせうってゆふの。しつこくゆふと、ぢゃああなたのてととりかへてよってゆふの。ともみちゃんはなんてゆふ? まいちゃんとおんなじ? そのおてがみまってるね」




障害児は、大きく二つに分けられる。知性には問題ない盲、聾、四肢欠損などの子どもたち。そして自閉症学習障害の子どもたち。その二つの障害を合はせもつ子どもたちもゐるだらう
インテグレーションintegration・・・統合教育、即ち、障害児と健常児が一緒に学習することが両者にとって理想的なのは分かりきったことだが、今はどうなってゐるのか知ら?
私が通った公立小学校には、障害児の通ふクラスがあった。教室は別々だったが、障害児も健常児も同じ小学校に通ってゐたわけだ。それなりに交流もあったし、特にイヂメや差別などの問題があった記憶もない
中学校では、ごく軽い知恵遅れの子が同じクラスにゐた・・・色々あったけれど、今思へばインテグレーションの一環だったのだらう
今の学校はどうなのか知ら・・・統合教育は進んでゐるのか? 独身なのでね・・・よく分からない
学力至上主義の私立学校だとどうなのかな? お受験で幼稚園に入園してから大学卒業まで、障害児と全く触れ合はないこともあり得るのではないか
自分と異質の人たちと触れ合ったことのない人間が、社会人になって、街なかで障害者に会って、どんな反応を示すのか?
そんな人間が結婚して親になって、自分の子どもが通ふ小学校に障害児がゐたら、どんな態度をとるのか? 「迷惑です」「困ります」「勉強の邪魔です」 そんな人が教師になったら? そんな人が役人になったら?



まいちゃん・・・



■釈三州HP■
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