エロス断想

猫と美人を描いてゐます

Spring rains

曇りのち雨、東風
猫見当たらず


「魔女はささやく」四分の三まで読み進む。魔女と断定され有罪判決を受けたレイチェル・・・火刑に処される日まであとわづか、彼女の運命や如何に・・・。クライマックスは明日の楽しみにとっておかう。それにしても品の無い表現が多い・・・アメリカのミステリ愛好者には受けるのだらう
「これからも・・・わたしはつづけます」マシューは声を詰まらせて言った。「昼も夜も。答へが見つかるはずなら・・・かならず見つけてみせます」彼女はその言葉に応へてマシューの手の甲に口づけをし、それからまた涙に濡れた頬へ持っていった。二人はさうやって立ちつくした。レイチェルは、いまこのときは人の体の温もりと、そのやさしさのほかなにも求めるものはないとでもいふやうに、マシューの手を強く握りしめた。マシューはもう一方の手で彼女の顔に触れたいといふ思ひを押さへつけて、二人を隔てる鉄格子に指をかけた。「ありがたう」レイチェルがそっと言った。


柔らかな雨が降ってゐる・・・


■釈三州HP■
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