エロス断想

猫と美人を描いてゐます

兵隊やくざ

終日晴天、朝結氷す、今冬一番の冷え込みか。幸ひに路上凍結せず
シロ、ハナミヅに缶フードなど。新顔にレトルト


有馬頼義アリマヨシチカ(1918-1980)「兵隊やくざ・戦中編」読了。面白し。軍隊生活のディテールが詳細すぎる。最早、かういふ兵隊ものを書ける作家は皆無であらう。しかし・・・有体に言へばゲイ小説ですね
「どうすればいいんだ?」と私は言った。「ここにゐて下さいよ」と音丸は答へた。「おれも君を抱いていいのか」と、私が言ふと、大宮が、「どうぞ、どうぞ」と、舌を出して唇をなめた。奇妙な関係が、三人の間に成立した。私が音丸を抱いてゐる間、大宮は酒をのみ、大宮が音丸を抱いてゐる時間、私がのんだ。一日中、そのことのくり返しであった。





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