エロス断想

猫と美人を描いてゐます

童子

昼過ぎまで降雪、のち冬晴れ、路面凍結せず
いまだ私の部屋には暖房をいれず・・・半ば意地なり
ハナミヅとシロに会ふ。めづらしく、シロが私の鞄の中にアタマを突っ込む。オナカがすいてゐたのだらう
筋トレ〜〜〜!


文豪怪談傑作選「室生犀星集・童子」拾ひ読み。静謐な怪異譚。かういふ地味な話は現代ではウケないだらう
笏は、童子の面を見つめた。「お前はこのさきの、暗い家の子供を知ってゐるかね。まるでお前そっくりで、お父さんにも見境がつかないぐらゐなんだよ。お前が来ないときには、お父さんはよくその子供を見にゆくことがあるんだよ」さう言って、童子のあたまを撫でた。童子は、しかしそれには答へないで、悲しげに父親をさしのぞいた。「お父さん、どうしてあなたはそのやうに似てゐるといふことばかりを捜してあるくの。僕は誰にも肖てはゐない。僕は僕だけしかない顔と心とをもってゐるだけですよ」


■三州生桑HP■
http://www.h4.dion.ne.jp/~utabook/