エロス断想

猫と美人を描いてゐます

愛と死

深更より早暁にかけ雷声轟々
日中陰晴さだまらず、時々弱雨


武者小路実篤(1885-1976)「愛と死」読了。何とも甘ッたるい恋愛小説。虫歯になりさうな思ひで恋文を読む。武者小路の小説は初見だが、恐らくはもう読まないであらう
自分はもっと夏子と話がしてゐたかった。話の内容が自分を面白がらせたといふよりもぽつぽつ話をしてゐる事が嬉しかった。もっと露骨に言ふと、夏子の美しい顔や姿や、その生々した表情や、きびきびした動作を見ることがたのしかったのだ。更に正直に言ふと、心と心何処かでふれあふことが喜びだったのかも知れない。もっと本当のことを言へば、僕はもう夏子を愛してゐたのだ。



■三州生桑HP■
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