エロス断想

猫と美人を描いてゐます

浅草紅団

ひねもすくもり、日中も冷ややかなり
金木犀の香りかんばし
兄弟子猫に会ふ。いつもとは全然違ふ場所から出て来た。思ひがけぬ所で知り合ひに会ふのは嬉しいものなり。ベンチに座ると、一匹は膝の上に、もう一匹は靴の上に乗る。食欲も旺盛。ひもじくなると移動するのだらう


川端康成「浅草紅団アサクサクレナヰダン」読了。佳作。1930年の浅草の不良少年少女を描く。他の川端作品とは異なって、イキイキとした文体
浅草駅にぼんやり坐ってゐると、親切らしい爺さんが、梅吉を連れて帰った。爺さんは名高い猫取りだった。間もなく警察にあげられた。そこで梅吉は、同じ猫取り仲間に引き取られた。彼はこの猫取りの見習ひとして、街をうろついた。猫を見つけると、紐でしばった雀を投げ出す。雀が羽ばたきする。猫が飛びつく。紐をぢりぢり引きしぼる。猫がおびき寄せられる。そこをつかまへる早業が、呼吸だ。捕へた猫は、直ぐたたき殺す。公園の暗がりか、河岸の物蔭で、生皮を剥ぐ。その皮は着物の下にかくして、腰に巻きつけておく。三味線屋へ高く売れる。



アンジェラ・アキって色っぽいですね。ピアノ雑誌の表紙を見ただけですが・・・買はうか



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