エロス断想

猫と美人を描いてゐます

歯車

秋霖、湿度あり
雨だれに恋を聴くべし九月尽



芥川龍之介「歯車」再読。小学生の時から、何度読み直したことか・・・
僕は省線電車の或停車場からやはり鞄をぶら下げたまま、或ホテルへ歩いて行った。往来の両側に立ってゐるのは大抵大きいビルディングだった。僕はそこを歩いてゐるうちにふと松林を思ひ出した。のみならず僕の視野のうちに妙なものを見つけ出した。妙なものを? ・・・と云ふのは絶えずまはってゐる半透明の歯車だった。



■三州生桑HP■
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