エロス断想

猫と美人を描いてゐます

KAFKA

ひねもす曇り
公園にて新顔の子猫二匹見る。増えるなぁ〜
豊作や子猫の腹はぽっこりと


中古モニターを買はうかなと思ったがヤメておく。叩けば直るから・・・。叩けば直るうちは使ふ。叩いても直らなくなれば捨てる・・・教育と同じ?


フランツ・カフカ「城」読了。未完にして傑作。ここまで暗喩に満ちた長編小説は珍しい。如何様にも解釈できる本を読むことの難解さ・・・或る意味、究極の「藪の中」的小説。「城」一篇の解釈だけで、独文四年間はかかるだらう。しかし、十人十色の解釈が可能といふことは恐ろしいことだ。例へば「聖書」・・・原理主義者にかかれば、さしもの愛の書もテロリズムの拠り所となる。カフカが、己の原稿を破棄してくれと遺言したのもむべなるかな。誤植を発見。新潮文庫版の「城」520ページの1行目、「言葉ひとつ、眠くばせひとつ」は「言葉ひとつ、目くばせひとつ」の誤りだらう
フリーダは、頭をKの肩にもたせかけてゐた。ふたりは、腕をからませてだまったまま行ったり来たりしてゐた。「あの晩」と、フリーダは、ゆっくりと、静に、ほとんどたのしさうに言った。それは、Kの肩にもたれて安らかにすごせる時間がほんのすこししかないことを知ってゐるが、せっかくのこの時間を最後まで味はひつくさうとおもってゐるかのやうだった。「あの晩すぐにこの土地から出ていってしまへばよかったのにね」




■三州生桑HP■
http://www.h4.dion.ne.jp/~utabook/