エロス断想

猫と美人を描いてゐます

DAS SCHLOSS

曇りのち雨、風あり。台風の影響か
鈴虫、こほろぎが鳴いてゐる・・・
深爪しすぎて血が出た・・・痛し


カフカ「城」読み進める。このやうな即興的な実験小説が、百年たった現在も読まれてゐることに驚く。しかも、この文庫本は四十三刷! 何といふロングセラー・・・
「きみは、依然としてクラムの愛人であってまだまだぼくの妻ぢゃない。ぼくは、さう思ふと、ときどき悲しくなって、すべてを失ってしまったやうな感じがする。さういふとき、今やっとこの村にやって来たばかりのやうな気持になる。それも、実際この村にはじめて着いたときは希望にみちてゐたものだったが、今度はさうではなくて、ぼくを待ちうけてゐるのは幻滅ばかりで、その幻滅をつぎつぎに最後の一滴にいたるまで飲みほさなくてはならないのだといふやうな予感がするのだ」





■三州生桑HP■
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