エロス断想

猫と美人を描いてゐます

国家の品格

曇りのち晴れ。昨晩ムカデに咬まれる。盛夏なり
図書館にて、PSPに熱中してるコドモの横で、母親が黙々とケータイをいぢくってるのを見る。涼みに来てるのだらう


藤原正彦国家の品格」読了。興味深く読む。ジョーク混じりで読みやすい。現代日本人必読の書。
国民は永遠に成熟しない。放っておくと、民主主義すなはち主権在民が戦争を起こす。国を潰し、ことによったら地球まで潰してしまふ。それを防ぐために必要なものが、実はエリートなんです。真のエリートには二つの条件があります。第一条件は、文学、哲学、歴史、芸術、科学といった、何の役にも立たないやうな教養をたっぷりと身につけてゐること。さうした教養を背景として、庶民とは比較にもならないやうな圧倒的な大局観や総合判断力を持ってゐること。第二条件は、「いざ」となれば国家、国民のために喜んで命を捨てる気概があること。この真のエリートが、いま日本からゐなくなってしまひました。


芸術を蔑ろにする国や人は、誰からも尊敬されなくなってしまふ。金満国家や成金は羨望されこそすれ、心から尊敬されることは決してない。留学生たちは、恐らく金儲けの勉強をするために日本に来てゐるのであって、日本文学や芸術を勉強しに来てゐるわけではあるまい。
石炭成金のわが街には、大学の文学部もなく、美術館もない、日本古典文学全集を揃へてる本屋もない・・・もう少し、詩人を大事にしてほしいですよ





■三州生桑HP■
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