エロス断想

猫と美人を描いてゐます

西行の風景

快晴、酷暑。やっと七夕が過ぎたばかりなのにこの暑さ・・・八月はどうなるのか
近所のノラが死にかけてる、多分。この真夏の直射日光を浴びながら寝てるとは・・・死に場所を心得てるのだらう


桑子敏雄西行の風景」半分まで読む。新書だが読み応へがある。西行については、何となくナヨナヨとした慨嘆詩人といふイメージを持ってゐたのだが、それが覆された。仏教を少し齧っておいてよかった・・・。実は桑子先生は私の恩師であります。お元気か知ら・・・憶えてないだらうなぁ
「あはれ」や「さびしさ」を人間の内面にあるものと考へるひとびとは、主観と客観、存在と意識といった西洋の近代的な人間観に陥ってしまってゐる。西行の和歌論はそのやうな二元論を打ち砕くのである。ここのところをよく理解しないと「新古今和歌集」の歌人たちの歌が、観念的だとか夢幻的だとかといふ批評に縛られることになる。かれらの作歌の背景にあったのは、密教の哲学であり、あるいは天台の止観の哲学であった。



■三州生桑HP■
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