エロス断想

猫と美人を描いてゐます

物いふ小箱

曇りのち晴れ。真夏の日差し
月曜に鍛へた大胸筋が、まだ痛む。よしよし


森銑三(1895-1985)「物いふ小箱」拾ひ読み。怪異譚だが、これは文学ではないなぁ。小泉八雲は文学なのに。「遠野物語」は文学であり、「鸚鵡籠中記」が文学ではないのに似てゐる。抜粋した小話は、杉浦日向子も「百物語」で取り上げてゐるが、杉浦の方が遥かに傑作なり
うららかな春の日に、お婆さんは庭先の縁台で白魚を選り分けてゐた。後ろの壁の窓に猫がうづくまって、お婆さんの手元を見下ろしてゐた。猫はゆっくりした調子で「ばばさん、それを、おれに食はしゃ」と言った。お婆さんは振り向かうともしなかった。「おぬしは何を言ふぞ。まだ旦那どんも食はしゃらぬに」猫は微かに苦笑したやうだった


「おくりもの」をアップ。もちろん今日読んだ「しゃべる猫」に触発されたもの。出来は・・・よくない
ミューズは一向に微笑みかけてはくれない・・・



■三州生桑HP■
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