エロス断想

猫と美人を描いてゐます

国性爺合戦

朝小雨、のち五月晴れ。微風。気温上がらざれど日差し強し


近松門左衛門(1653-1724)「国性爺合戦」読了。正しくは「国姓爺」国王の姓を給はった人物の敬称のこと。十七ヶ月ものロングラン興行を続けた大ヒット作だけあって、読んでゐて飽きさせない構成。明国と日本のハーフ鄭成功テイセイコウ(和名・和藤内ワトウナイ)が、大陸に渡って大暴れ・・・そのナショナリズム的表現に驚く。江戸時代にはすでに支那に対する差別意識があったのだらうか。
和藤内虎の背をなでて、うぬらが小国とてあなどる日本人、虎さへ怖がる日本の手並み覚えたか、我こそ音に聞こえたる、鄭芝龍がせがれ、九州平戸に成長せし、和藤内とは我が事なり、三世の恩を報ぜんため、父が故郷へ立ち帰り、国の乱を治むるなり、命惜しくば味方につけ、いやといへば虎の餌食、いやかおうかとつめかくる


やうやく気分が落ち着く。
祖母の死は、もう覚悟してゐたから泣きはしないと思ってゐたのだけれど、お棺に花を入れる時に号泣してしまった。恥づかしや。
二人のいとこを見てゐて、気のきく女性はいいものだなぁと思ふ。サッとお茶を出したり、年寄りの相手をしたりね。私の方が年上だが、見習はねばならぬ。
4/6に「ヒゲを伸ばしてるんですけど、分かりますか?」と祖母に聞き、微笑まれてゐる。それが最後の笑顔だった。ヒゲを生やしてよかったといふことか。



■三州生桑HP■
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