エロス断想

猫と美人を描いてゐます

大往生

快晴。爽やかな一日。
通夜のさ中、再びオレオレ詐欺の電話あり。哀れなり。


祖母昨晩往生す。享年九十歳。深更に看護婦さんが回診した時には、既に心停止してゐた。苦悶の表情もなく、眠るが如し。大往生なり。しかし、真冬のやうに冷え込んだ夜であった。
「なき人を引き立てて咲け初夏の花」


さほど悲しくもなし。覚悟はしてゐたし。私にできる孝行はしたし。まあ、手をつないで散歩したりした程度ですが。結婚の報告はできなかったな・・・こればかりは如何ともし難し。
死ぬと分かってゐれば、最後に何か美味しいものを食べさせてあげたかった。これもしやうがない。今しがた、祖母と二人でビールを飲みました。飲めるクチだったのでね。


別れがあり、出会ひがある。
逝く人がゐて、生まれる子がゐる。
生まれた子は、必ず死ぬ。
如何に生きたかが問題だ。
如何に生きるかが重要だ。
人生も恋も手抜きではね。



■三州生桑HP■
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