エロス断想

猫と美人を描いてゐます

Richard Ⅲ

雨は早朝に上がり、快晴。風強し。
40分ジョギング。暑し。


シェイクスピア「リチャード三世/河合祥一郎訳」読了。恐るべきピカレスク。政敵とは言へ、いくらなんでも殺しすぎ。こんな悪党がイギリスにはゐたのか・・・と思ったら、史実ではリチャード王は極悪人ではなかったとか。作家には史実をねぢ曲げる権利がある。芸術の名の元に。谷崎にもこの傾向は見られる。
「さあ、剣をお取りなさい。さもなければ、私をお取りなさい」「立ちなさい。白々しい。おまへなんか死ねばいいが、この手を汚す気はない」「では、自害を命じてくれ。やってのけよう」「もう命じた」「怒りにまかせてだ。もう一度言ってくれ。そしたらこの剣で、君を愛するあまり君の恋人を殺してしまったこの手で、君を愛するあまり君の真の恋人を殺してみせよう。どちらの男が死ぬのも、君のせゐだ」



■三州生桑HP■
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