エロス断想

猫と美人を描いてゐます

Maeterlinck

曇りのち雨。冷ややかな雨。
子猫はすっかり私に懐いてゐる。しゃがみこむと脚にいつまでもじゃれてくる。ただどういふわけか、カプッと甘噛みしてくる。それが愛情表現なのだらうね。
車椅子の少年と目が合ふ。ニッコリと微笑んでゐた。何だか泣きさうになる。


メーテルリンク(1862-1949)「青い鳥」読了。ベルギー生まれのノーベル賞受賞詩人。子供の頃、チルチル・ミチルの絵本で読んだけど、原作は初見。とても良かったです。人生の本当の幸せとは何でせう? ラストでは泣いてしまったよ。
「怖がらなくてもいいのよ。多分、あなたたちをご馳走に招待するのでせう。でも、それを受けてはいけませんよ」「どうして? 小さなお菓子一つでもいけないの? あんなに美味しさうなのに」「あれは危険なのですよ。あなたの意志をくじいてしまふのよ。人間はしなければならない義務がある時には、何かを犠牲にしなければならないのだといふことを知らねばなりません。丁寧に、しかしきっぱりと断りなさい。そら、来ましたよ」


■三州生桑HP■
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