エロス断想

猫と美人を描いてゐます

BECKETT

晴れたり曇ったり、ひんやりとした一日
子猫の首筋をマッサージしてやるとゴロゴロ鳴く


ノーベル賞作家サミュエル・ベケット(1906-19893アイルランド)の戯曲「勝負の終はり」読む。人類の終末を描く密室劇。登場人物は四人。盲目の主人公は息子を奴隷のやうに扱ひ、両親をドラム缶に住まはせる
「あの女が死んだかどうか見てくれ」息子は祖母のドラム缶に近付き、ふたを持ち上げる「死んでるやうだ」「ぢゃあ親父は?」息子は祖父のドラム缶に近付き、ふたを持ち上げる「まだらしい」「何をしてゐる?」「泣いてる」「ぢゃあ生きてゐる。・・・今までに一度でも幸福な瞬間があったかね?」「ないね、私の知ってゐるかぎりでは」



■三州生桑HP■
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