エロス断想

猫と美人を描いてゐます

LE BLEU DU CIEL

快晴つづく


久しぶりに片目猫に会ふ。衰弱しきってゐた。呼べば近付いてくるが、触らせてはくれなかった。何も食べようとはしなかった。よだれが口からツッと垂れてゐて、以前飼ってゐた犬の最期を彷彿とさせた。もう長くはないだらう


ほうほう、アンリもビールを飲むやうになったかね
蛾・・・ただの虫だがねぇ・・・そんなに怖い?


ジョルジュ・バタイユ(1897-1962仏)「青空」読了
サドとバタイユの共通点。両者とも全く読者におもねることなく、己の欲望のままに書く作家。前半は、泥酔・嘔吐・不安感・死とエロス・異常なセックスとバタイユおなじみの世界が繰り広げられるが、後半は哀しい恋物語に。まだ彼も若かったといふことか

「わたくしどもは引き取ってよろしいでせうか?」「いいえ、まだよ」彼女は黙りこくって、ぢっと椅子に座ってゐた。長い時間がたった。二人の使用人は、美しい女客の両脚と椅子をつたってひとすぢの液体が流れるのをふるへながら見てゐた。カーペットの上に小便が小さな水たまりをつくり、女のドレスの内側では、緊張のゆるんだ内臓がにぶい音をたてた。女中は胸をむかつかせ、ふるへながら、彼女の体を洗はなければならなかった。彼女はおとなしくなり、幸せさうだった。エレベーターボーイは、悪臭がすっかり消えるまで部屋の空気を入れかへた。


あーあ・・・
ため息ひとつ、またひとつ


ため息や女心と秋の空



■三州生桑HP■
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