エロス断想

猫と美人を描いてゐます

ジーヴスと朝のよろこび

曇りのち快晴
15分泳ぐ。カボチャのやうな体形をしたプールの監視員が、食ひ入るやうにシンクロ娘たちを凝視してゐた。彼のこのバイトの志望理由はソレなのだらう。
それはそれとして、少しトキメキあり


P・Gウッドハウスジーヴスと朝のよろこび」読了
相変はらずのドタバタ喜劇。一連の作の特徴として、詩や聖書からの引用の多さが挙げられる。格調高いとも言へるが、衒学的とも言へるね。カズオ・イシグロの「日の名残り」は、ウッドハウスに少なからず影響を受けてゐる。
「本が欲しいんだが」無論、本屋に行って本を欲しがるのはバカげた話だとはわきまへてゐて然るべきだった。「本でございますか?」驚きをむき出しに、店員は答へた。「スピノザだ」僕は答へた。明確性を加へつつだ。これは彼のかかとから上をのけぞらしめた。「スピノザとおほせでございましたか?」「スピノザと言ったんだ」「『スピンする車輪』ではございませんか?」「違ふ」「『毒塗りピン』といふやうなことはございますまいか?」「といふやうなことはない」「或いは『知られざるボルネオに銃とカメラをたづさへて』では?」と、彼は訊ねた。大穴を狙ってきたわけだ。


アンリから「詩を書いてよ」とリクエストされる。うむ、ちょっとひねってみるか。


■三州生桑HP■
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