エロス断想

猫と美人を描いてゐます

シチリアでの会話

快晴
20分ほど泳ぐ。シンクロナイズド・スイミングの練習をしてゐた。鬼コーチにしごかれてゐた女の子が号泣。プールの水はしょっぱいねぇ・・・。青春ですな。監視員バイトの男の子と女の子が、ずーっと手を握ってゐた。これもまた青春ですな。夏真っ盛りですな!


ヴィットリーニ(1908-66伊)「シチリアでの会話」読了
非常に興味深いが、極めて難解な前衛小説。ありとあらゆるレトリックが用ゐられ、様々なメタファーがちりばめられてゐる。読書といふよりは、暗号解読に近く、解説を読まなければほとんど理解不能。何となれば、この傑作は反体制、反ファシズムを以って書かれたのだが、ファシストの厳しい検閲をすり抜けなくてはならなかったから。完全に理解するためにはイタリア文学の講義を聞かねばなるまい。
「ハサミに包丁だ!」とそのとき研(と)ぎ屋が吠えた。「ハサミだ?」ゆったりと人間ポルフィーリオが繰り返した。彼は闇の塊だった。そしてそのどこからともなく出てくる温もりが、穏やかな湾流のやうに私たちの間を巡り、そして高みに風が吹くと、やはらかで深みのある声が響くのだった。「包丁だ?」彼は繰り返した。そしてやはらかに、深みのある声で、かう言った。「さうではない、友人たちよ、包丁ではない、ハサミではない、さういふものは何一ついらない。むしろ生ける水が・・・」「生ける水が?」と、研ぎ屋は独りごちた。「生ける水が?」と、人間エゼキエーレも独りごちた。すると人間ポルフィーリオが続けた。「あなたたちにはもう何千回も言ってきたことですが、改めて言ひませう。生ける水のみが、世界の損傷を洗ひきよめ、傷つけられた人類を癒すことができる。それにしても、その生ける水はどこにあるのか?」「包丁のあるところに、生ける水がある」研ぎ屋は言った。「世界のための苦しみのあるところに、生ける水がある」と、人間エゼキエーレは言った。
§
The Long And Winding Road
―――The Beatles
The wild and windy night
That the rain washed away
Has left a pool of tears
Crying for the day
Why leave me standing here?
Let me know the way

Many times I've been alone
And many times I've cryed
Anyway, you'll never know
The many ways I've tried
ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード
―――ビートルズ
荒々しい嵐の夜に
雨は何もかも流し去り
残ったのは涙の池だけ
僕は一日中泣いてゐた
なぜ僕を置き去りにするの?
君への道を教へてほしい

僕はいつも孤独で
泣いてばかり
君は知らないだらうけど
いろんなことをやってみたんだよ
§

■三州生桑HP■
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