エロス断想

猫と美人を描いてゐます

越前竹人形

曇りのち晴れ
梅雨明けしたかな


20分ほどプールで泳ぐ。50メートルコースに爺さん一人、25メートルコースは私一人。ガラガラなり。プールから上がり、シャワー室にゴーグルと耳栓を置き、トイレから帰ってみると、爺さんが私のゴーグルを洗ってゐた。何してるねん! 何で人のゴーグル洗ふねん! プールは好きなのだが、かういふ変な人に時々会ふのがイヤだ


夏物のチノパンツを買ふ。チノパンツジーンズも裾上げ不必要。脚が長いからネ


水上勉越前竹人形」読了
谷崎潤一郎が賞賛しただけのことはある名作。ラストは何だか駆け足であった。序破急? 方言が美しい
「ちがひます。玉枝はん、わいはあんたが好きどすねン。なんできらひなことおすかいな。村の人から、あんたの顔がお母んそっくりやていはれた時から、わいは、あんたがよけい好きになりましたんや」


きのふ夕刻、調査員(?)来る。探偵と云ふのか知ら。近所のお嬢さんのことを聞かれた。結婚前の素行調査か。いまだにそんなコトする人ゐるんだねぇ。10万単位のお金がかかるのではないか。良いお嬢さんですよ、と言っておく。実は全然知らない、名前も知らない人なのだけれど。誰が何を知りたがり、誰が何を見てゐて、誰にどう話してゐるのか・・・。私の場合、あの人は独身で、一度も女の子を家に連れてきたことはありませんねぇ・・・なんて言はれるのだらうな・・・


初めて一人暮らしをしたのは、独身専用の社員寮だった。私はまだ学生だったけれど、特別のはからひで住まはせてもらってゐた。隣人も若い男だったが、昼休みに女を部屋に連れ込むので弱った。昼間っから、スゴい声を出すのだ。女が。まさか隣りにヒマな学生がゐるとは思はなかったのだらう。私の勘では、あれは不倫だった。夜に泊まりにくることがなかったから。本人たちは秘密の逢ひ引きのつもりだったらうが、週に何回のペースで来るか、車は何に乗ってるかなんてことを私は知ってゐた。多分他にも知ってる人がゐただらう。声がデカすぎたから


不倫といふと、或る女友達を思ひ出す。彼女は妻子ある男と不倫してゐて、半同棲状態であった。コンパで遅くなった夜、一度だけ彼女の部屋に泊めさせてもらったことがある。「そりゃね、最初は結婚するかもなぁって思ってたのよ。だから同棲始めたわけだし。でもさ、男ってバカよね。別れ話切り出したとたんに、すっごく優しくなってさぁ。体目当てっていふのが、もうバレバレ」結婚の意志が無くなったのに、ダラダラと半同棲を続けるなんて不潔だなぁと思ったが、言はなかった。「それぢゃ、どうして関係を続けてるの?」「だって家賃出してくれるから」さう言ふと、彼女は私の顔にタバコの煙をフウッと吹きかけた。誘はれてるのかなと思ったが、私は何もしなかった。まだ学生だった私は彼女のことが大人に見えたものだが、実際には中学生なみのとんでもなく幼稚な女の子であった。「一人暮らしをヤメて親元に帰ってごらん、もう会ひに来なくなるから。女の一人暮らしだと思ってナメてるんだよ」と思ったが、黙ってゐた。確か法律を勉強してゐて、派手めの美人だったけれど、今にして思へば哀れな女の子だったな・・・




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