エロス断想

猫と美人を描いてゐます

十五少年漂流記

ジュール・ヴェルヌ(1828-1905仏)「十五少年漂流記」読了
七面鳥、あざらし、ペンギン、バク、山犬、駄鳥、ジャガー、ウサギ、カバ、狐、ヤギ、ラマ・・・長さがたかだか32キロメートルほどの無人島に、これだけの動物が生息できるのだらうか・・・そればっかり気になった
この小説をベースにゴールディングは「蝿の王」を書いたのだが、「蝿の王」の方がはるかに恐ろしい傑作である
「あれを見たまへ」まづウィルコックスが海岸を指さした。岩の下にはペンギンが群れてゐた「まるで小人の観兵式のやうだね」サービスが手をたたいて喜んだ。ペンギンは、少年たちの姿を見ても逃げようともしなかった。少年たちは、ありあはせの棒や石で、またたくまに何十羽となく殺した。


本屋で立ち読みしてたら、隣りのカップルとその友人の声が聞こえてくる
「おう、久しぶり」「よう。彼女?」「ああ、こいつ俺の女」
「ああ、これ俺の車」「俺のカバン」「俺の靴下」「俺の女」・・・
何回かセックスしただけで、女性を自分の所有物と見なすのだらうか? 図々しいにも程がある!
「俺のモノ」だから、逆らふと怒って殴ったりレイプしたりするのだらうね。
幼児虐待する親も同様の精神構造である。子供を「自分のモノ」だと見なしてゐるから、何をしようが勝手といふわけだ
ちらりとそのカップルを見やると、「俺の女」呼ばはりされた女は、まんざらでもなささうに笑ってゐた。幸せさうだった。結局、何も考へないのが一番幸せなのだらう。痴呆老人のやうに。


アマルさん、謎めいたコメントthanks
夢を追ひつづけるのは苦難の道。一人でも理解者がゐてくれたら・・・
ミチヨさん、訳詩寺面白さうですねー

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Love alters not with his brief hours and weeks,
But bears it out even to the edge of doom.
If this be error and upon me proved,
I never writ,nor no man ever loved.
―――Shakespeare
愛はつかの間の時や週の移ろひで変はるものではない
この世の終はりのギリギリまで持ちこたへるもの
もしこの考へが間違ってゐるといふ証拠があるのなら
私の書いた詩はすべて嘘、愛なんて嘘だといふことだ
―――シェイクスピア
§


■三州生桑HP■
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