夏日なり
今日は猫にモテた
垂れ目猫のうるんだ瞳が切ない
カリカリそっちのけで、どこまでも付いて来る
飼ってほしいのだらうが、ごめんな
この垂れ目猫は、赤ん坊の時から知ってゐる
手のひらに乗るやうな小さな体で、コンデンスミルクのやうな濁った涙を流し、鼻だけをたよりにキャットフードにたどり着き、パクパクムシャムシャ食べてゐた
到底生きられまいと思ってゐたのだが、よくぞここまで大きくなった
首筋を撫でてやるとグルルルルとのどを鳴らす
私の手の匂ひを憶えてゐるのだね
田村隆一「若い荒地」拾ひ読み
とくに感慨なし
■三州生桑HP■
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